開業して1年
この場所で出会えた、たくさんの物語
開業して、もうすぐ1年を迎えます。
もともとは生活のために始めた宿でした。しかし、この1年を振り返ると、そこには想像もしなかった出会いと物語がありました。
オーストリアから来られたお客さまは、亡くなった弟さんを偲ぶために日本を訪れていました。バイク事故で亡くなった弟さんは、日本が大好きだったそうです。
ご家族のお話を伺った後、お姉さんと娘さんと一緒に、庭の桜の木の下へ思い出の品を埋めました。静かな時間の中で、それぞれの想いを語り合い、涙を流される姿が今でも心に残っています。
また、韓国から来られたご家族との出会いも忘れられません。
お父さまが幼少期を過ごした小松の炭鉱の町を探しに来られました。何十年もの間、その場所がどこだったのかわからなかったそうですが、今回ようやくたどり着くことができました。
そこは博物館として保存されており、お父さまが小学生の頃に乗っていた電車も展示されていました。ご家族みなさんが当時の思い出を語りながら喜ばれる姿を見て、この場所が人の記憶と再会するきっかけになれたことをうれしく思いました。
そして、アメリカから来られた最初のお客さま。
6名でのご宿泊でしたが、滞在はわずか1泊。それでも帰られる際にチップを残してくださいました。
金額以上に、「ここでの時間を楽しんでもらえたのだ」ということが何よりもうれしく、今でも鮮明に覚えています。
さらに、現在行っている謎解き体験や暗闇体験も、お客さまとの何気ない会話や交流の中から生まれたものです。
私たちは宿を営んでいますが、ただ泊まる場所を提供しているわけではありません。
ここを訪れた方々の人生や思い出の一場面に少しだけ関わらせていただき、その時間を共有できることが、私たちにとって何よりの喜びです。
この1年間、本当にたくさんの方々とのご縁に恵まれました。
支えてくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。
そしてこれからも、この場所で新しい出会いと物語が生まれることを楽しみにしています。

